『あっくんはたべられない』食の困難と感覚過敏

初版第1刷:2019年3月31日
初版第2刷:2019年5月31日

絵本『あっくんはたべられない』
食の困難と感覚過敏

作・あっくん/監修・髙橋 智
世音社 B5版(横型)28ページ 定価1,500円(+税)

みんなと同じものが、あっくんにはつらすぎて食べられない。
食べ物なのに耐え難い刺激を感じて、口の中に入れることや噛むこと、飲み込むことができない…
そんな感覚過敏のある当事者“あっくん”が描く、本人にしかわからない独特な感覚と経験のお話。

子どもの偏食は、ただの好き嫌いやわがままという問題ではない。

近年の研究でわかってきた食の困難と感覚過敏、そして発達障害との関係。食べられないのは親のしつけや育て方のせいではないことを、わかりやすく解説した絵本ができました。

必要なのは指導ではなく、支援。他人にわかってもらうことが難しい「苦手な感覚」について、当事者への聞き取り調査の結果から理解し、困っている本人のために周りができる支援を考えます。

食べることに関する困難を抱える子ども達と、日々悩みながら子育てをしている保護者の方々にお届けするために、たくさんの人に知ってほしい!


作者紹介

菊間章紘あっくん・菊間章紘(きくま・あきひろ)
東京造形大学 美術学科(絵画専攻)学生

発達障害当事者として、自身の感覚過敏や「日常でどのように接してもらえると助かるか」等をテーマに17歳の頃から母親と共に講演活動を行う。発達障害を取り上げたNHKの番組で取材を受けたことをきっかけに、自分自身の経験を絵で伝えることに取り組み始める。本書は高校3年生の時に製作する。

周りの大人には、無理やり食べさせないでと伝えたいし、僕みたいな子どもたちには、食べられないのは悪いことじゃないと伝えたい。そして、永遠に食べられないと決めてしまうのではなく、食べられるようになる可能性があるってことも伝えたかった。

監修者紹介

髙橋智髙橋 智(たかはし・さとる)
日本大学文理学部教授 博士(教育学)
東京学芸大学名誉教授
放送大学客員教授
法務省矯正局外部アドバイザー

発達障害を中心とした当事者調査研究に取り組み、NHKの番組や毎日新聞などで数多く紹介されている。
主要著作は
『発達障害当事者の睡眠困難と発達支援の研究』風間書房/『発達障害等の子どもの食の困難と発達支援』風間書房/『現代の特別ニーズ教育』文理閣
『特別支援教育総論』放送大学教育振興会/『障害百科事典全5巻』丸善出版/『特別支援教育大事典』旬報社 ほか多数

食べることは本来、体の中に異物を取り入れる行為。警戒感や不快感を持つことは生き物として正常な反応です。
これさえすれば偏食を克服できるというマニュアルはありません。大人がすべきなのは、食事への安心感を積み重ねていくことと、子どもたちの育ちを信じることなんです。

取材協力

田部絢子(立命館大学産業社会学部准教授)
田村文誉(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック教授)

発行者
NPO法人すくすくはあと 土崎幸恵
発行所
世音社
〒173-0037 東京都板橋区小茂根4-1-8-102
Tel: 03-5966-0649
Fax: 03-5966-0649

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